ウレタン舗装材とは?ーウレタン舗装材のこれまでと未来ー①

ウレタン先生による【ウレタン塾】開講


ウレタン塾へようこそ!
ここ、「ウレタン塾」は、ウレタン先生から陸上競技のウレタン舗装材に関する詳細を共有し、スポーツを通じて健康的で安全な未来を塾生のみなさんとともに考える場所です。
ウレタン先生は、ウレタン工事に従事して40年のウレタン舗装材の専門技術者です。
日本体育施設は創業より53年間、主に陸上競技場のグラウンド舗装材やスポーツターフ(芝生)に関わる製品開発、施工・管理、そして出来上がった施設の管理・運営を行っている会社です。環境破壊が深刻な社会課題となる中、2023年より「スポーツ施設を、もっと使いやすく、もっとやさしく」に注力し、誰一人取り残すことなく全ての人が健康と幸福の恩恵を受けられる、持続可能な社会に向けた企業活動を加速させています。
ウレタン塾のウレタン先生は、そんな日本体育施設で、スポーツ施設の土台となるウレタン舗装材を日々研究開発しています。
ウレタン先生の功績のひとつとして、2021年に大手化学メーカーと共同開発した、「発がん性物質無配合」の舗装材『レオタンαエンボスSF』があげられます。使う人にも作る人にも安全な環境対応型ウレタン舗装材として、今大変注目を集めています。
ウレタン先生がこの画期的な舗装材を開発した背景や経緯、そしてウレタン舗装材への想いなどをウレタン先生に塾生が話を伺います。この会話を通じて、ウレタン舗装材のことをもっと知っていただけたらと思います。
競技関係者、建設業界で働く人、スポーツ系学部の学生さん、スポーツ好きな人、そして、全くこれまでウレタン舗装材に関して知識が無かった人にもぜひ気軽に読んでいただき、ウレタン舗装材や陸上競技のファンになっていただければうれしいです。
それではウレタンの世界へ!!

①. ウレタン舗装材のキホン -組成・構造-

塾生
最近国際的なスポーツ大会やイベントにおいて、スポーツ施設の舗装材が注目されていますね。先日の国際大会では、日本ではあまり目にすることのなかった、紫色のトラックが話題を集めていましたね。


ウレタン先生
そうだね。陸上競技のトラックってどこも同じに見えるかもしれないけれど、アスリートが使いやすく、好記録が出せるようなさまざまな工夫が成されているよ。あの紫色のトラックも、「アスリートを際立たせるベストな色調」として試行錯誤して創り出されたようだよ。
陸上競技場に施された技術や工夫に関しては、話しきれないぐらい、ふかーい話がたくさんあるんだ。
塾生
ふかーい話、聞きたくなりますね。
ウレタン先生
ところで…陸上競技っていうと何を思い浮かべるかな?
塾生
マラソンとか、箱根駅伝とか、最近だと女子選手が活躍しているやり投げかな。

ウレタン先生
陸上競技の種類は、競技場のトラックで実施される「トラック競技」、跳躍(走幅跳など)、投てき(ハンマー投など)を主体としたトラック内側のフィールドで実施される「フィールド競技」と、マラソンや競歩など競技場外を走る「ロードレース」に分けられるよ。
塾生
競技場の中ですべての競技ができればいいんだけど~。
だって、競技場の舗装材は、足腰への衝撃を吸収してくれて、負担を軽減してくれるよね。マラソンは公道だから身体への負担が心配だなあ。

ウレタン先生
それも含めて競技、なんだけどね。
今でこそ舗装材は走行性や身体への負担軽減など、機能がどんどん向上しているけど、1950~60年代の陸上競技場は、ウレタンではなく煉瓦粉を使ったアンツーカ舗装が主流だったんだよ。
塾生
レンガ?

ウレタン先生
そう、煉瓦を砕いて粉にしたものを舗装材用に固めたんだ。
塾生
アンツーカ舗装はテニスコートなどでよく見かける赤いグラウンドですよね?
ウレタン先生
そうそう、今はあまり見かけないけど、テニスコートなどではまだ使われているところもあるよ。
塾生
転んだら痛そうな感じがする・・・
ウレタン先生
そんなアンツーカ舗装も、よりよいものへと改良が重ねられ、その後、1973年に初めて日本でアメリカ製のウレタントラックが登場したよ。このウレタントラックが記録向上に大きく貢献したことから、日本でもウレタントラックの研究開発が進んだんだ。
塾生
いよいよウレタン舗装材の登場ですね。

ウレタン先生
1991年の第3回世界陸上競技選手権が日本で開催されるにあたり、日本体育施設が開発したエンボス仕上げのポリウレタン舗装の採用が決まったんだ。
それ以降、日本体育施設は、競技性の向上や、グラウンドの安全に不可欠な平坦性や均一性の実現に向けて日々取り組んでいるよ。
塾生
競技性とか平坦性とか均一性ってなんですか?

ウレタン先生
競技性とは、記録向上や走りやすさなどを意味しているよ。また、平坦性はグラウンドが凸凹がなく、平らになっているか、また均一性はグランドの高さなどが均一に整っているか、という指標だよ。
他にも舗装材が外部環境から受ける負荷に対して、どれだけ劣化せず機能を維持できるかを示す耐久性も重視しているよ。
耐久性が高い舗装材ほど、メンテナンスの回数やコストを軽減できるからね。
塾生
今でこそ合成ゴム系の素材やウレタンが舗装材の主流になっていますが、実際にアンツーカ舗装の時代から何が変わりましたか?

ウレタン先生
たとえばこんなものが挙げられるかな
・身体への負担が軽減されるようになった
・障害物などの危険を防止し、安全性が確保できるようになった
・見た目が美しくなった(スタジアムの美観を維持)
・耐久性がアップし、メンテナンス頻度が削減。
 費用削減が可能に。
・平坦性、均一性、走行性がアップしたことによる記録性向上へ
 の貢献
塾生
自分はこれまで走りやすさとか、記録向上しか考えていなかったけど、最近の舗装材ってこんなに競技者にとって重要な役割を果たしているんですね。
ウレタン先生
私はゴムもウレタンも扱っているけど、公認競技で使われている(※)舗装材は現在はポリウレタン製がほとんどだよ。
塾生
ウレタン舗装材をじっくり見てみたいな。
ウレタン先生
では、スタジアムに移動するよ!

そもそもウレタンってどういう構造でできているの?

ウレタン先生
ウレタン舗装材がどういう構造でできているかを教えるね。
日本体育施設のウレタン舗装材「レオタンαエンボス」「レオタンαエンボスSF」を例にあげて説明すると、ウレタン舗装材は4層構造になっているよ。
一番上の層は、「エンボス層」といって、ウレタン舗装を敷設した後にローラーで凸凹をつけたもの。
その下が「上塗り層」、
その下が弾性層、
そして一番下が下地処理層(レオタイト工法)だよ。
(それぞれの役割)
この4層が組み合わさることで最強の舗装材が実現できるんだよ。
ウレタン舗装断面入れる?
塾生
4層も!それは知らなかった!それぞれ大切な役割があるんですね。

ウレタン先生
このウレタン舗装材は主にスポーツ施設、スタジアムなどで使用されるんだ。公園や学校の需要もあるんだよ。
実際に使っている人からは、「とても走りやすい」「よい記録が出た」などのうれしい報告が届いているよ。
「ウレタン舗装材の施工工程」は以下リンクから見てね。

■□■(共通)次の一歩を踏み出そう■□■

ウレタン先生プロフィール

  • *****
  • *****
  • *****
  • ウレタン先生
    毎年参加している、日本陸連主催のリレーフェスティバル(リンク)で環境対応型ウレタン舗装材の説明をしているよ。
    これからもNTSの取り組みを一人でも多くの方に知ってもらうために、イベントなどでお伝えする機会を増やしていくよ。
    塾生
    ウレタン先生に何度も会えるってことですね!


    ウレタン先生
    そうだね。これからも色々なところに出没するからね。楽しみにしていてね。

    ウレタン先生について
    詳しく知りたい方はお問い合わせフォームからご連絡下さい。
    ウレタン先生とのディスカッションの案内
    (SNSリンクなど)

    今後の展望やイベント情報の予告

    ・2025年 3月●日 ○○公園にて体験会実施!

    施工現場見学会

    ・ローラーエンボスの施工体験!