ウレタン舗装材のこれまでと未来ー①ウレタン舗装材のキホン -組成・構造-

ウレタン先生は、スポーツ施設の土台となるウレタン工事に従事して40年のウレタン舗装材の専門技術者です。
日本体育施設は創業より53年間、主に陸上競技場のグラウンド舗装材やスポーツターフ(芝生)に関わる製品開発、施工・管理、そして出来上がった施設の管理・運営を行っている会社です。ウレタン塾のウレタン先生は、そんな日本体育施設で、スポーツ施設の土台となるウレタン舗装材を日々研究開発しています。
このページでは、陸上競技場の多くで使用されているウレタン舗装材について、ウレタン先生がそのキホンの組成・構造をご紹介します。
この講座を通じて、陸上競技に関わる皆様や建設業に関わる皆様、そして、これまでウレタン舗装材について興味がなかった皆様にも、ウレタン舗装材や陸上競技のに関心を寄せていただければうれしいです。
それではウレタンの世界へ!!

陸上競技場について考えてみよう

塾生
最近国際的なスポーツ大会やイベントにおいて、スポーツ施設の舗装材が注目されていますね。2024年の国際大会では、日本ではあまり目にすることのなかった、紫色のトラックが話題を集めていましたね。

そうだね。陸上競技場のトラックってどこも同じに見えるかもしれないけれど、アスリートが使いやすく、好記録が出せるようなさまざまな工夫が成されているよ。あの紫色のトラックも、「アスリートを際立たせるベストな色調」として試行錯誤して創り出されたようだよ。
陸上競技場に施された技術や工夫に関しては、話しきれないぐらい、ふかーい話がたくさんあるんだ。

塾生
ふかーい話、聞きたくなりますね。。

ところで…陸上競技っていうと何を思い浮かべるかな?

塾生
マラソンとか、箱根駅伝とか、最近だと女子選手が活躍しているやり投げかな。

陸上競技の種類は、競技場のトラックで実施される「トラック競技」と、「ロードレース」に分けられるよ。

①フィールド競技
・競技場のトラックで実施される「フィールド競技」
・跳躍(走幅跳など)
・投てき(ハンマー投など)

②ロードレース
・マラソンや競歩など競技場外を走る


陸上競技場の走るところに使われている舗装材

塾生
マラソンは公道だから身体への負担が心配だなあ。競技場の中ですべての競技ができればいいんだけど~。
だって、競技場の舗装材は、足腰への衝撃を吸収してくれて、負担を軽減してくれるよね。

そうだね。
今でこそ舗装材は走行性や身体への負担軽減など、機能がどんどん向上しているけど、1950~60年代の陸上競技場は、ウレタンではなく煉瓦粉を使った固めの使い心地であるアンツーカ舗装が主流だったんだよ。

塾生
レンガ?

そう、アンツーカは、煉瓦を砕いて粉にしたものを舗装材用に固めたものなんだ。

塾生
アンツーカ舗装はテニスコートなどでよく見かける赤いグラウンドですよね?

そうそう、今はあまり見かけないけど、テニスコートなどではまだ使われているところもあるよ。

塾生
転んだら痛そうな感じがする・・・

そんなアンツーカ舗装が主流だった市場に、1973年に初めてアメリカ製のウレタントラックが日本に登場したよ。このウレタントラックが記録向上に大きく貢献したことから、日本でもウレタントラックの研究開発が進んだんだ。

塾生
いよいよウレタン舗装材の登場ですね。


ウレタン舗装材の登場

1991年の第3回世界陸上競技選手権が日本で開催されるにあたり、日本体育施設が開発したエンボス仕上げのウレタン舗装の採用が決まったんだ。
それ以降、日本体育施設は、競技性の向上や、グラウンドの安全に不可欠な平坦性や均一性を、舗装材で実現することに向けて日々取り組んでいるよ。

塾生
競技性、平坦性、均一性ってなんですか?

競技性とは:記録向上や走りやすさなどを表す指標。
平坦性とは:グラウンドが凸凹がなく、平らになっているか。
均一性とは:グラウンドの高さなどが均一に整っているか、という指標。
他にも舗装材が外部環境から受ける負荷に対して、どれだけ劣化せず機能を維持できるかを示す耐久性も重視しているよ。
耐久性が高い舗装材ほど、メンテナンスの回数やコストを軽減できるからね。

塾生
今でこそ合成ゴム系の素材やウレタンが舗装材の主流になっていますが、実際にアンツーカ舗装の時代から何が変わりましたか?

たとえばこんなものが挙げられるかな

・身体への負担が軽減されるようになった
・障害物などの危険を防止し、安全性が確保できるようになった
・見た目が美しくなった(スタジアムの美観を維持)
・耐久性がアップし、メンテナンス頻度が削減。
 費用削減が可能に。
・平坦性、均一性、走行性がアップしたことによる記録性向上へ
 の貢献。

塾生
私はこれまで走りやすさとか、記録向上しか考えていなかったけど、最近の舗装材ってこんなに競技者にとって重要な役割を果たしているんですね。

そうなんだよね!だから公認協議で使われている舗装材は現在はウレタン製がほとんどだよ。

塾生
いつも走っている場所ではあるけど、競技場のウレタン舗装材をじっくり見たいな。。。

興味を持ってもらえてうれしいな!では、一緒にスタジアムに移動しよう!

そもそもウレタンってどういう構造でできているの?

ウレタン舗装材がどういう構造でできているかを教えるね。
日本体育施設のウレタン舗装材「レオタンαエンボス」と「レオタンαエンボスSF(エス・エフ)」を例にあげて説明すると、ウレタン舗装材は4層構造になっているんだよ。

一番上の層は、「エンボス層」といって、ウレタン舗装を敷設した後にローラーで凸凹をつけたもの。
その下が「上塗り層」、
その下が弾性層、
そして一番下が下地処理層(レオタイト工法)だよ。
(それぞれの役割)
この4層が組み合わさることで最強の舗装材が実現できるんだよ。

ウレタン舗装断面入れる?

塾生
4層も!それは知らなかった!
それぞれ大切な役割があるんですね。

このウレタン舗装材は主にスポーツ施設、スタジアムなどで使用されるんだ。公園や学校からも需要があるよ。
実際に使っている人からは、「とても走りやすい」「よい記録が出た」などのうれしい報告が届いているよ。
「ウレタン舗装材の施工工程」は以下リンクから見てね。

次の一歩を踏み出そう

ウレタン先生プロフィール

  • 佐藤興正さんのプロフィールをウレタン先生として
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  • 毎年、日本陸上競技連盟主催のリレーフェスティバル(リンク)で環境対応型ウレタン舗装材の説明をしているよ。
    これからもスポーツの楽しさや、スポーツを通じた社会貢献の喜びを一人でも多くの方に知ってもらうために、イベントなどでお伝えする機会を増やしていくよ。

    塾生
    ウレタン先生に何度も会えるってことですね!

    そうだね。これからも色々なところに出没するからね。楽しみにしていてね!

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