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スポーツターフの設計

スポーツターフには、競技の種類や利用目的に応じて、競技性や耐久性、平坦性、排水性、クッション性、美観性など、様々な性能が求められます。
これらの性能を実現するためには、使用する芝種だけでなく、気候、日照条件、床土の構造や給排水設備などを総合的に考慮した適切な設計が不可欠です。
ここでは、スポーツターフの品質を支える設計の考え方や関連設備についてご紹介します。

Section.01造成のための専門的な調査

①気象条件の調査

はじめに、施設が位置する地域の気象条件を正しく把握することが重要です。気象庁のデータベースから過去10年程度の気温、地温、降水量、湿度、風、積雪量などの気象データを調査し、芝草の生育可能な期間や高温、低温、降雨によるストレスなど、年間を通じた生育環境を評価します。
この調査結果をもとに、芝種の選定し、基本となる土壌構造や付帯設備の検討を行います。

②日照条件の調査

芝生が健全に生育するためには、光合成に必要な光を十分に確保することが重要です。施設周辺の建物やスタンド、スタジアム屋根や樹木などによる影の影響を調査し、季節や時間帯による日照時間や日射量の変化を評価します。
調査結果をもとに、芝種の選定やフィールドの配置、補光装置の導入などを検討し、フィールド全体で芝生が健全に生育できる環境を整えます。

光合成と芝生の生育

日射量調査

フィールドにできる影

③現地調査

スポーツターフの設計では、データや図面の情報だけでなく、実際の現地の状況を把握する必要があります。そのため、現地調査を実施し、フィールドの立地や周辺環境、日照条件、既存設備、実際の土壌やフィールドの品質を確認します。
必要に応じて専門的な品質調査を行い、より詳細にフィールド情報を収集していきます。
これら調査データをもとに、施設ごとの特性や課題を正しく把握し、求められる性能を実現するための最適な設計を検討します。

現地品質調査

土壌サンプル採取

土壌品質試験

④ヒアリング調査

上記の調査と並行して、施設の利用目的(プロ仕様か一般利用のどちらがメインか)、利用頻度(どの程度フィールドの利用があるか)、維持管理体制(技術者の配置、機械の有無、維持管理コスト)などをヒアリングします。
これらの情報も考慮して、NTSはその施設に最適な、スポーツターフフィールドの設計をご提案します。

Section.02舗装構造の検討

①舗装構造

スポーツターフの基本構造です。砂厚は30㎝程度として、ルートゾーン(上部10~15㎝)程度に土壌改良材を混合します。
排水層には単流7号砕石を10㎝厚で敷均し、床土内の水分を適切に保って芝生の生育環境を適切に維持します。

洗い砂に黒土を混合した構造です。黒土を混ぜることで、保水性や保肥力が向上していますが、排水性が低下し、土壌が締め固まりやすくもなっています。土壌改良材を削減しているので、その分コストカットされています。

砂の層は20㎝と標準よりも浅い構造です。土壌改良厚は上部10㎝となっています。砂代をコストカットできますが、床土内は少し水を含みやすくなります。排水層には、単粒砕石と多孔質な火山砂利の組み合わせです。適度な排水性、保水性、通気性を併せ持ちます。

Section.03付帯設備の検討

①排水設備

良好な芝生の品質を維持するためには、降雨時に土壌に浸透した水を速やかに排出できる排水設備の設計が重要です。
暗渠排水管は排水層と一体となり、浸透してきた余剰水を速やかに場外排出して水溜りの発生を防止するとともに、床土内の水分状態を適切に維持する働きをします。
暗渠排水管は、5.0~7.5m程度の間隔で基盤面の水勾配に対して一定の角度を確保して配置するのが基本となります。

②給水設備

芝草は、生育に必要な水分を根を通じて土壌中から吸収していることから、スポーツターフを維持していくなかで散水作業は重要な意味を持っています。そのため、芝生の生育に必要な水分を均一かつ効率的に供給できるスペックの散水設備を設計しなくてはいけません。
設計時には、芝種や気象条件、グラウンドの規模・形状等を踏まえ、散水方法、散水範囲、散水量、スプリンクラーの配置・能力などを検討します。
近年は、タイマーによる自動散水が可能なポップアップ式スプリンクラーが主流となり、散水手間の大幅な削減を実現しました。

③育成補助設備

スポーツターフの補助育成設備には、グローライト、地温制御システム、送風機などがあります。施設の環境によっては、これら設備が必要となってくる場合があります。

スタジアムの屋根の影響で、芝生面に日射量の差ができ、芝生の生育差が生じます。日射の不足するエリアを補光して、生育を促すのがグローライトです。高原としては、高圧ナトリウムランプやLEDライトが使用されます。

地温制御システムは、床土内に埋設した配管に温水(寒冷期)又は冷水(高温期)を循環させてルートゾーンの温度を適温に保つ設備です。

屋根で囲まれたサッカースタジアムにおいて、自然通風を利用した通常の換気では対応できない芝生表面の通風に関しては、大型送風機を運用することで、炭酸ガス供給による光合成促進、芝面の冷却、蒸れ防止、降霜防止等のための送風作業が可能となります。